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癒やしに最適な空間 常陸太田市/NPO法人「ビスターリさとみ会」 |
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ビスターリさとみの外観 |
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竹炭作り、ハイキング、川遊び、野菜作り…
竪穴式住居や貯水槽を築造
常陸太田市折橋町のNPO法人「ビスターリさとみ会」は、教職員を退職した人たちが「定年後、自然の中で楽しんだり遊んだりできる、人に喜ばれる施設を作り、悠々自適の生活拠点でゆっくりゆったり過ごそう」と1999年5月に設立された。同会では豊かな自然の中で、竹炭作り、ハイキング、川遊び、野菜作りなどが体験でき、登校困難な子どもや青年の相談にも応じている。8月8日〜11日には、小学生を対象にした自然体験「子ども集まれ」が開催され、子どもたちが、魚つかみ、カヌー遊びなどを楽しむ。
ネパール語で「ゆっくり、ゆったり」の意味を持つ「ビスターリさとみ会」は、子どもから高齢者まで幅広い年代の人々が集まり、個人、家族連れ、子ども会、ボーイスカウト、ハイキングクラブ、地域の会などが利用している。
全国で初めての施設があるNPO法人で、当初、教職員を退職した人たちが中心になり設立されたが、現在では民間の企業退職者が全会員の約半分を占め、ボランティアとして運営している。会員は約300人。
約1600坪の敷地内には、本館、あずまや、図書館、竪穴式住居、炭焼き場、無農薬野菜を栽培している畑などがある。4月半ばには山桜が満開になり、5 月は新緑がまぶしいほど美しい。夏には川遊びが楽しめ、11月になると紅葉が彩る。冬は星空が頭上に広がり、近隣に横川温泉があることも魅力だ。心と体を癒やすには最適の場所である。本館の1階には食堂ちゅう房、木工作業所など、2階には宿泊室が設けられ、吹き抜けのエントランスホールには大きなまきストーブが備え付けられている。これらの建設費用は、募金でまかなわれたというから驚く。
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左から木村さん、中村さん、今井さん |
まきは、日立市「花樹の会」事務局長であり「ビスターリさとみ会」理事の今井建夫さん(68)が、伐採した桜の枝などを調達してくる。「街路樹の枝を伐採すると、処分に困るのでもらってきます。燃料費の節減にもなりますし、まきストーブはやわらかい暖かみがあり、2階の宿泊室まで暖かくします」と今井さん。本館には26人の役員が毎日交代で宿泊し、利用者の世話、清掃、シーツの洗濯などを行う。利用者は食材を持ち込み自炊し、掃除する。非会員でも会員と一緒であれば利用できる。
8月8日(金)〜11日(月)は、小学校4年生以上の生徒を対象にした自然体験「子ども集まれ」を行う。このイベントは毎年好評でことしで7回目となる。川遊び、カヌー体験、虫取り、鍋足山ハイキング、竪穴式住居やテントでの宿泊など、盛りだくさんのプログラムだ。中でも、昨年行ったドラム缶風呂は男子生徒たちの間では人気があった。ことし日立市の小学校に募集したところ、40人の定員に115人の申し込みがあったという。来年は、高萩市と北茨城市の小学校、再来年は、常陸太田市の小学校で募集する。
「子ども集まれ」では役員と会員、高校生のボランティアが子どもたちの世話をする。「カレーライスを作る時は、ジャガイモを畑で採ってきます」と今井さん。副理事長の中村秀雄さん(64)は「最近の子どもたちは、火のつけ方を知りませんが、ここでは不便でもやりとげることを体験してほしいです」と話す。
同会常務理事の木村弘志さん(66)は「定年になったら、どのような生活をしようかと悩んでいました。しかし、ここにはすっと溶け込めました」と生き生きと話す。今井さんは、「竪穴式住居を延べ50人で半年かけて間伐材を集めて建築したり、貯水槽を作ったりしました。苦労をやり遂げた後は、満足感があります」と楽しそうに活動内容を振り返る。
NPO法人「ビスターリさとみ会」
同会では現在会員を募集している。
年会費:3000円
会員の宿泊代:大人1000円、日帰り300円
問い合わせ:TEL 0294-70-7007 |
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