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石岡市にある「ぱぐ人形館」 |
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シッカリした体にぺちゃ顔、陽気でちょっとどじ、お人好しで好奇心おう盛な犬「パグ」。石岡市小山田「ぱぐ人形館」では、根本克子さん(77)制作のパグ人形たちが訪れる人たちを楽しませる。今年のテーマは、「世界の童話」。「ジャックと豆の木」「三匹の子パグ」「ヘンゼルとグレーテル」「ハーメルンの笛吹き」「白雪姫」「アラジンとふしぎなランプ」約280個のパグ人形たちが演じている。
「人形館」に280体
「ヘンゼルとグレーテル」や「白雪姫」
根本さんは東京で歯科衛生士として働いていた。定年後、犬の世話をしながら何かできることはないかと模索していた時、めぐり合ったのが粘土であった。
「粘土でパグ人形を作ったところ、勤め先の先生に『面白い』と言われ、獣医さんにプレゼントすると大変喜ばれました。パグ人形を作り始めてから20年たちます」
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ヘンゼルとグレーテル |
定年後、飼っている犬のため、田舎に住もうと東京から石岡市に移住した。現在、パグ7匹、シェパード1匹と住む。「小田急デパートの即売会に5〜6年参加していましたが、犬の世話をしながら東京に通うのが大変なのでやめました。すると、ぜひパグ人形を見たいという人たちがいたので、犬舎を改装し、『ぱぐ人形館』を作りました」と根本さんはほほ笑む。開館から今年で7年目を迎える。毎年テーマを決めて展示し、これまで「音楽」「日本昔話」「パグの町」などをテーマに制作してきた。
人形の材料は石塑という石から作った粘土。アクリル絵の具で顔を描き、布や和紙で衣装を作る。帽子などは、樹脂粘土に色を練りこめ作る。高さは約10センチで手のひらに乗るサイズだ。わら、豆の木、岩、食物など、小道具の材料を工夫し、包装紙で木、発砲スチロールで岩を制作する。ハンカチ、古着、余り布、時には新品の衣類、パッチワーク布などで衣装を縫う。お姫さまや魔法使いの衣装は、クリスマスグッズを使う。どの衣装も物語の登場人物のイメージにぴったりで、全体のセンスも見事に統一されている。
白雪姫 |
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「黒目の位置、手の位置で微妙に表情が違ってきます。服を着せ、脚の位置を決める前に靴を履かせます。一生懸命作っていると目がかすんでくる時があるので休みながら作っていますが、好きだから継続できます」と話す根本さんは楽しそうだ。
「ぱぐ人形館」には茨城県内だけではなく東京都、横浜市、埼玉県、栃木県などから年間約400〜600人が訪れる。なかには毎年見学に来る人や犬同伴の人もいる。このようなパグ人形を展示している人形館は全国でも珍しいからだ。
「パグ人形を見てニヤッとしてくれれば嬉しいです。訪れた人たちとパグ人形や犬についてお話するのも楽しみです。来年は『昭和の初期の遊び』をテーマに1 年間かけて人形を制作します。人形を作ることが日常生活のタガになっています」。パグ人形を通して、根本さんと訪れる人たちとのつながりは広がりをみせている。
ぱぐ人形館
営業:午前10時〜午後4時(金、土、日)
入館:無料。毎年6月は展示替えのため休館
問い合わせ:TEL 0299-44-0879
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