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うれしい子どもの笑顔 日立市/ひたちおもちゃの病院 |
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大みか交流センターで |
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5カ所の診療所で修理 23人がドクターでボランティア活動
日立市の「ひたちおもちゃの病院」は、「ものを大切にする気持」を持ってもらおうと、市内5カ所の交流センターで診療所を開いている。「子どもが好きでおもちゃに興味があれば、誰でもドクターになれます。今までの会社での仕事を生かして楽しめる一面があります。院長、副院長、外科部長、内科部長、理事長、看護師がいます」と院長の小林勇作さん(68)は楽しそうに話す。
「ひたちおもちゃの病院」は「シニアライフを豊かに生きる」を目標に仲間作り、生きがい作り、大好きひたち作りを目指し活動している「熟年ネット・ひたち」の自主グループであり、日立市ボランティアグループ連絡会、日本おもちゃ病院協会に加入している。おもちゃ病院は、関東では東京都、神奈川県、埼玉県に多く、茨城県では、土浦市と日立市などにある。水戸市など市外から壊れたおもちゃを持ってくる人もいる。
「東京のおもちゃ病院に見学に行った時、『熟年ネット・ひたち』のメンバーたちは、現役時代は、機械、化学、電気などの技術屋が多いので日立市でもできると思いました」と副院長の土屋昭夫さん(72)は話す。
「ひたちおもちゃの病院」は2003年発足。05年に、日本おもちゃ病院協会から講師を招いて「ドクター養成講座」を開催した。同講座の受講生たちも含め、60代70代の男女23人がドクターとしてボランティアでおもちゃの修理を行っている。日立市内の全地域に診療所は5カ所ある。「定年後は地域で活動したいと思い参加しました」と副院長の山本三男さん(65)。
「おもちゃが直った時、子どもも喜びますが私もうれしいです」と土屋さんは生き生きと話す。
「故障の原因が分からずおもちゃを預かっていた人から、明日引っ越しすると連絡があり、急いで原因を究明し1日で修理して渡したときの子どもとお母さんのうれしそうな顔が忘れられません」と喜ぶ小林さん。
「交換する部品が無い場合は、別の部品を何とか探して付けます。分解しないと故障の原因が分かりませんが、分解できない場合があります。仲間と相談しながら修理しています」と山本さん。ぬいぐるみの手足が骨折し、その部品がメーカーにない場合、プラスチックの棒を買い、ドリルで穴を開け代品を作るなど預かったおもちゃを修理するための努力を惜しまない。接着剤の使い方は難しく、材料の質や素材によって適応した接着剤を選ぶ。そのためドクター達は接着、はんだ付けの技術を研修し研さんに励んでいる。
電池を長年入れっぱなしにすると、電池の液もれで接触不良になり壊れてしまうことがある。「故障個所を探すとき、最初に電池をみます。電池の入れっぱなしはしないでください」と土屋さん。
08年日立市社会福祉協議会より福祉ボランティア活動の功績が認められ表彰された。「これからは子どもたちに工作を指導することも考えています。一緒に活動する仲間を募集中です」と小林さんは呼び掛けている。
日立市「百年塾フェスタ」「環境フェスタ」などでも診療所を開設している。おもちゃが直った時の協力金は200円で部品を交換した場合は実費が必要。
ひたちおもちゃの病院(診療案内)
◆十王診療所 十王交流センター第1水曜日午後1〜3時/◆北診療所 田尻交流センター第1土曜日 午後1〜3時
/◆中央診療所 福祉プラザ3階 第3火曜日午後1時〜3時/◆塙山診療所 塙山交流センター 第3水曜日午前10時〜正午/◆南診療所 大みか交流センター 第2火曜日午後1時〜3時
/問い合わせ:TEL0294-34-0614(小林さん) |
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