|
雰囲気満点のポーズでマジックを披露する高野さん |
|
|
|
敬老会などへ年30回
秋も深まり今年も後2カ月足らずになった。これからの時期は友人や家族や地域などいろいろと集まる行事も多くなる中、余興にトランプやハンカチなどでちょっとしたマジックを見せることができたらきっと周りから注目されるに違いない。水戸市平須町に住むマジック歴40年以上という高野邦夫さん(67)の場合もそのプロ並みの実力でいろいろなイベントに出掛け多くの人々の前で披露してきた。
まだ高野さんが東京に住んでいた若いころ、テレビで見たマジックに興味を持った。そしてビデオや本を見て自分で研究しながら、いろんなネタを覚えていった。最初は家族や仲間に見せていただけだったが、面白いという評判が口コミであちこちに広がり、今や「マジシャン高野」という名前で老人ホームや子供会・保育園や地域の祭りなど水戸市や近隣の市町村での公演に引っ張りだこの人気者になっている。
ショーではタイミングと面白いせりふを混ぜながらリングや花にロープやトランプ・4つ玉と次々演じていく。人気があるのは帽子の中から鳩が出るマジックや、手の中の瓶が空中に浮くように見えるなどの定番のもの。「演じる時間は40分程に抑え、飽きないようにしています」と、配分にも気を遣っている。
現在は年金生活だが、それまでも塗装業の傍ら、というより依頼があればマジックショーを優先させて出掛けていってしまうので「だから家はいつまでたっても貧乏なのよ」とつい愚痴が出てしまうという妻の静江さん(67)。そういいながらも忙しい時は静江さんも一緒に出掛けていき手伝ってくれるというから、夫婦ともどもみんなの喜ぶ顔を見たい気持ちは一緒なのだろう。
マジックに使う台などの置き道具は「値段も高いのでなるべく手作りするようにしています」。もともと手先が器用で大工仕事が好きなこともあり、苦ではない。しかしマジックの制服であるラメのジャケットなどはさすがに作れないので「これにはちょっとお金がかかっちゃったね」と静江さんの方を見て首をすくめた。
これまでに年間約30回、30年以上あちこちで公演した。特に忙しい春や秋は、お別れ会や敬老会・地域の祭りなどのイベントが多数控えているため「それこそ仕事どころではない気分」と言う。それでも今まで出掛けた施設や主催者から届いたお礼の手紙が数えきれないほど届き、それらをノートに張って時々見直す喜びは、ボランティアの精神を実行している人が味わえる特権であろう。
趣味の多い高野さんはゴルフ・ボーリング・海釣り・油絵・陶芸・習字・将棋・碁・畑仕事と数えだしたらきりがない。
「人生を楽しむために好きなことをしているのであり、そんな趣味の1つのマジックをみんなが喜んでくれるのはうれしことだ」と気負いはない。「でも今1番の私のファンは小3の孫かな」と言いながら記者にマジックを見せてくれる時の笑顔とポーズは、マジシャンが天職と思わせるほど似合っている。
友人たちと酒を飲みながらわいわい騒ぐための部屋まで1人で作ってしまったといい「振り返った時いい人生だったなあと思いたいので」と日々の生活も楽しんでいる。「依頼があれば遠い所でない限り喜んで行きますよ」とのことで興味のある人には指導もしてくれる。
問い合わせはTEL029-241-7874 |
| |
|