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太陽からはさまざまな波長の光線が放射され、地球上に降り注いでいます。その中に見ることのできる光線・可視光線があり、これを長い波長から短い波長に分けると赤、橙(だいだい)、黄、緑、青、藍(あい)、紫の7色に分類されます。赤より少し波長が長くなった領域を赤から外れた光「赤外線」といい、紫から少し波長の短くなった領域、つまり紫の外にある光線ということから「紫外線」という名称がつけられました(図参照)。
紫外線の有用性としては、骨をつくるために必要なビタミンDを作る働きがあり、昔から骨を丈夫にするため日光浴が勧められてきました。しかし、現在では日光浴をしなくても日常の生活で適度に紫外線に接するだけでよいとされ、むしろ紫外線の有害性が大きな関心事となっています。
紫外線は波長によって、A(UV-A)、B(UV-B)、C(UV-C)の3つに分けられます。波長の短いC領域紫外線UV-Cは、空気中の酸素やオゾン層で遮られて地表には届きませんが、環境破壊によってオゾン層の減少が続けばやがて地表に届き、がんなどの健康被害が懸念されます。中波長UV-Bは、皮膚や目に有害で浴びすぎると赤くなり、炎症、やけど(日焼け)を起こしたり、さらにシワの形成を助長させるなど皮膚老化の原因になります。長波長のUV-Aは、UV-Bのように炎症を起こしたりしないので一見安全なように感じますが、波長が長い分皮膚深部まで浸透し、健康被害はもちろん、肌のハリ・弾力を保つコラーゲン、エラスチンを破壊してシワやタルミの原因となります。
ちなみにUV-Bは炎症、やけどを生じた後に皮膚を黒くしますが(サンバーン)、UV-Aは炎症を起こさず自然と黒くなります(サンタン)。夏はUV-Bが多く、冬はUV-Aが多いため、スキーに行くと炎症を起こさず黒くなるのもこのためです。 |
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