|
© Tibo & Anouchka |
1960〜70年代のフランスでずっとスターであり続けた歌手がいます。彼の名はクロード・フランソワ。日本では無名ですが、フランク・シナトラの名曲「マイ・ウェイ」を作った人で、本国での人気と実力は日本でいえば石原裕次郎さん並み。しかもクロードは歌手活動だけでなく世界で初めてファンクラブを作ったり、出版社、モデルクラブなども手掛けた実業家でもありました。若い時はヒット曲「夢見るシャンソン人形」で知られる女性歌手、フランス・ギャルの恋人だったこともあります。
クロードは、フランスのテレビで初めて黒人ダンサーを従えてパフォーマンスをした人でもあります。これは当時、かなりセンセーショナルなことでした。また珍しいことに、彼は酒にもドラッグにも無縁。ストイックな人だったようです。
しかし、クロードは39歳で死去しました。その短くも激しく輝いた人生を描いた映画「最後のマイ・ウェイ」が20日から公開されます。クロードを演じた主演のジェレミー・レニエは、5カ月間ダンスと歌の特訓を、さらに毎日腹筋を1200回こなし、クロードになり切ったそうです。
この映画は、1人の少年の人生の物語でもあります。仕事に生き、成功とともに車を買い替え、たび重なるピンチにも動じず、ついに父親との葛藤を乗り越える…。高度成長期を生き抜かれた男性ならきっと共感されるのではないでしょうか。
「最後のマイ・ウェイ」は、シニア世代に十分に楽しんでいただける映画です。この映画でクロード・フランソワのことを知っていただければ、と思います。
《角川メディアハウス映画事業部スーパーバイザー・佐藤仁美》 |
「最後のマイ・ウェイ」 フランス映画
監督:フローラン=エミリオ・シリ、出演:ジェレミー・レニエ、ブノワ・マジメルほか。149分。
20日(土)からBunkamuraル・シネマ(TEL.03・3477・9264)で上映。 |
|
| |
|