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アミノ酸の種類 |
人間の体の約20%を占めるタンパク質は、20種類のアミノ酸がいくつも連なって構成されています。これらのアミノ酸は、それぞれが異なる特徴を持っています。1908年に、池田菊苗博士が昆布だしの味に注目して発見した「うま味」のもとであるグルタミン酸は、今では世界中の食品や食卓に欠かせない調味料となっています。
アミノ酸は、その組み合わせや組成内の比率を変えることでも、単独の際とは異なる、独自の機能を発揮します。味の素(株)では、飲酒時にアラニンとグルタミンを摂取すると、体内のアルコールがより早く減少し、酔いざめも早まることを確認しています。これは、アラニンの持つアルコール分解促進機能に加え、グルタミンの消化管粘膜の保護機能などが合わさった結果とも考えられています。
スポーツシーンでは、疲労回復用に汎用(はんよう)されているBCAA(分岐鎖アミノ酸)と呼ばれている3種類のアミノ酸があります。その中のロイシンの構成比を高めた全9種類の必須アミノ酸を摂取すると、筋肉のタンパク質合成が促進され、運動で損傷した筋肉の修復が早まり、筋肉疲労の早期回復が実現できることも最近明らかになりました。
アミノ酸を健康面で役立てるには、摂取のタイミングが大切です。悪酔い回避なら飲酒の前、二日酔い対策は寝る前。スポーツを思いっきり楽しみたいなら始める30分前、運動後の疲れや筋肉痛が気になるなら、終わったすぐ後や寝る前などがおすすめです。
現在、世界中で研究されているアミノ酸。しかし、検証済みの事柄はまだほんのわずかです。アミノ酸は無限の可能性を持った素材といえるでしょう。
《味の素(株)健康ケア事業本部 片山美和》 |
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