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  東京版 平成25年11月下旬号  
「挑戦しないと結果は出ない」  山本陽子さん

舞台「あるジーサンに線香を」に出演する際と同じ着物と髪形の山本さん。「私は幽霊役なので、衣装替えは一度かな。(主人公の)モト冬樹さんは大変。老人、中年、若者、また老人…、目まぐるしくメークを変えるので、それも見ものです」
女優活動50周年
 清純な女性、悪女、そして愛らしいおばあちゃん…。ことし秋、女優活動50周年を迎えた山本陽子さん(71)は実に多様な役柄を演じ分ける。「自然の流れに逆らわず仕事をしてきた結果では…」と言う一方、「挑戦しないと結果は出ない」と歯切れよい。50代以降、「芝居の難しさ、面白みが身に染みて分かってきた」。11〜12月は再演の喜劇の舞台に立つ。「初演を終え、見えてきたものもある。さらに面白い舞台になるよう、私もアイデアを出していきたい」

 山本さんは演じる役柄のえり好みをあえてしない。「(出演依頼の)話を頂けるということは、期待されているということ。善悪を問わず、役に魅力を感じればお受けしている」。若いころは清潔感のある役柄で、「(テレビドラマの)高視聴率女優」と呼ばれながらも、次第に演技の幅を広げた。「となりの芝生」(1976年・NHK総合)では嫁姑(しゅうとめ)の対立を機に自立していく主婦を好演。「黒革の手帖」(82年・テレビ朝日系)では大金を横領する悪女を演じた。近年は「いろんなタイプのおばあちゃん役に挑戦している。楽しいですよ」と快活だ。

 中野区に生まれた山本さんは高校卒業後、野村證券に就職し、2年以上事務に携わった。「役者になるとは考えてもいなかった」と言うが、「同僚が日活ニューフェイス試験に(私に)内緒で応募していたんです」。

脇役で実感、芝居の妙味
 合格後の63年9月から女優活動を始めた。「抜き射ちの竜 拳銃の歌」(64年公開)をはじめ多くの映画に出演したが、やがてテレビドラマに軸足を移した。60年代のテレビ界は“ドラマ草創期”とあって、「人を育てるという熱気がみなぎっていました」。

 舞台では80年、「花埋み」(渡辺淳一原作)での主演以降、出演が増え、繊細な心理描写の文学作品や軽妙な喜劇など、分野を問わずに活躍する。「(演技に)100%満足したことはない。演じ終えた後は、まず反省点が頭に浮かぶ」。ただ、マイナス思考に陥ることはない。「挑戦した結果として、課題と次にチャレンジしたいことが見えてくる。だから50年も続けられているのでは…」

 映像、舞台の双方で数多く主役を務める一方、50代に入ってからは脇役に回る機会も増えた。「そこで芝居の本当の難しさにぶつかりました」。演技をする位置、照明、音響、スタッフの目線…。「全てが主役中心と、痛いほど分かった」と苦笑する。だが仕事を主演のみに限らず、「(助演では)いかに主役をもり立てながら、自分の存在感を出すか…。それも『芝居の醍醐味(だいごみ)』と感じた」とほほ笑む。磨かれた演技力は高く評価され、主演舞台の「おはん」(宇野千代原作)で第19回菊田一夫演劇賞(93年度)を受賞するなど、数々の賞にも輝いている。

新しい工夫を
 11〜12月再演の喜劇「あるジーサンに線香を」(東野圭吾原作)では、主人公の夫に先立った妻の「幽霊」として出演する。82歳の夫が「若返りの実験台」となる物語。若返った夫は心を躍らせ違う女性に次々恋心を寄せるが、やがて急激な老化に襲われる。そんな夫に寄り添い、時に皮肉を交え語り掛ける妻。妻の姿は夫にしか見えず、周囲の人たちは2人のやり取りに戸惑い右往左往する—。

 現実にはあり得ない設定だが、「高度成長期を生きてきた夫婦のありようが象徴的に表現されている」と山本さんは話す。昨年4月の初演では、「お客さまが笑い、そしてホロリとしてくださった」。再演に臨む思いをこう語る。「作品の基本線を崩さず、新しい工夫を加えたい」。例えば自らの登場場面では「幽霊らしい神出鬼没さを出せたら…」。役柄をえり好みしない半面、演出家らに自分の意見をはっきりと言う。「細雪」(谷崎潤一郎原作)などの名作公演では、「時代に合わせたアレンジも提案してきた」。小気味よく言葉を継ぐ。「自然体というのは、単なる受け身とは違います」

70〜80代も「挑戦」
 山本さんは「今、引退は頭にない」と笑顔を見せる。「70〜80代で、どんな役の話がくるか楽しみです」。自身の老いを自然体で受け入れながら、「年を重ねても挑戦は(役者としての)成長につながる。それは経験から得た私の確信です」。

「あるジーサンに線香を  〜若返ったら、あなたはもう一度恋をしてみますか」
 29日(金)〜12月8日(日)、銀座博品館劇場(JR新橋駅徒歩3分)で。全16回公演。

 原作:東野圭吾(「怪笑小説」所収)、脚本:福田卓郎、演出:中村金太、出演:モト冬樹、山本陽子、松原夏海、愛華みれ、おりも政夫ほか。

 全席指定8000円。上演時間は問い合わせを。キョードー東京 Tel.0570・550・799

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