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童心に帰って笑ってほしい ワハハ本舗・柴田理恵さん |
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「シニアの皆さんは知識があるからこそパロディーの幅が広い。だからこそワハハの笑いを隅から隅まで理解し楽しんでいただけるのではないでしょうか」と柴田さん |
5月に全体公演開催
時には女優、時にはお笑い芸人、そして“富山県民”として、CM、ドラマやバラエティー、教養番組など毎日のようにテレビ出演し人気を博す柴田理恵さん(57)。さらに映画、舞台と活躍の場を広げるほか、自身が所属するワハハ本舗の公演では公序良俗なんのその、奇抜かつ何でもありのステージで観客を爆笑の渦に巻き込む。「あの空間では、みんな子どもに帰ってもらい、心の底から笑ってほしい。笑いは生きる力です」と力説。3年ぶりとなるワハハ本舗全体公演を5月に控えた柴田さんにワハハ流の演劇論を聞いた。
柴田さんは「おわら風の盆」で有名な富山県八尾町(現・富山市)で1959年に出生。生家は当時珍しい共稼ぎ家庭だった。両親は、仕事熱心なあまり帰宅はいつも夜遅く。さらに夫婦そろって我が強く個性的で、幼い柴田さんはいつも振り回されたという。ただし、「子どもの目から見ても二人が一生懸命生きているのが肌で感じられました。そんな中で育ててくれたことに感謝しています」。特に働く女性の先駆けだった母親は今でも自分のお手本と胸を張る。
そんな柴田さんに転機が訪れたのは中学生のときだった。
柴田さんは読書とおしゃべりが好きな以外、クラスでは目立つ存在ではなかったというが、「学校の立山登山旅行で山本リンダさんの物まねをしたら友達に大受け。背中にゾクリと来るものがありました。人を笑わせると自分も楽しくなることに気付いたのです」。
アングラ演劇に夢中
そこからお笑いコントに興味を持ち高校では演劇部に入部。だがお笑い志向で入ったものの、すぐに演劇の“かっこよさ”に魅了され、それからは演劇少女の道にまっしぐら。大学も演劇学専攻のある明治大学に入学。当時流行のアングラ演劇に夢中になった。「唐十郎さんの唱えた『特権的肉体論』とかについて友達といつも議論していました」
大学卒業時、柴田さんは演劇で食べていくことを決意。アングラ演劇は好きだったものの、「自分の個性を生かせるのはどこだ」と考え、当時コメディー路線で人気だった「東京ヴォードヴィルショー」の門をたたいた。
実は同劇団は新人を募集していなかったが、「主宰の佐藤B作さんが劇場から出てきたところを“出待ち”し直談判、強引に入団させてもらいました(笑)」。そして同じように入ってきた久本雅美と意気投合。共に充実した演劇ライフを楽しんだ。
しかし「東京ヴォードヴィルショー」がコメディー路線から円熟した演技に軸足を置き始めると、座付き作家の喰始、久本らと共に独立を決意。84年、あくまで笑いにこだわるワハハ本舗を立ち上げた。当時25歳。「その時は本当に食うや食わずでした。でもその間にいろいろな人に支えていただきました。今でも感謝の気持ちを忘れていません」
その後しばらくして、テレビの仕事が入り始め今につながる人気を獲得することに。「ちょうど『漫才ブーム』と『お笑いブーム』の谷間でした。運が良かったんです」
ちなみにワハハ本舗の公演は旗揚げ以来、なんでもありの“カオスのような空間”を、お客さんにも参加してもらい一緒に楽しむというスタイル。シニア層の男性から若い女性までファン層は厚い。「劇団員の悪乗りにお客さんたちも付き合ってくれます。日常の殻を破って子どものころのように心の底から笑ってくれるのがうれしいです」
演技を磨きたい
また今後の目標について聞くと、「ワハハ以外の舞台でもさまざまな役者さんと共演できるのがとても刺激になっています。これからも舞台でじっくり演技を磨きたいですね」とかつての演劇少女が顔をのぞかせる。
若き日の演劇体験からワハハの舞台を語ってもらうと、「誰の替えでもない自分としての個性を出すこと。笑いは自分にとって原点であり個性です。ウメちゃん(梅垣義明)はじめワハハの出演者も皆、誰もまねできないようなパフォーマンスでお客さんを笑わせます。これこそワハハ流演劇論です(笑)」。 |
◆ワハハ本舗全体公演「ラスト2 〜NEW HOPE 新たなる希望〜」◆
5月8日(日)〜15日(日)、東京国際フォーラム(JR有楽町駅徒歩1分)ホールCで。全8公演。
2013年の「ラスト」でワハハ本舗の全体公演は最後じゃなかった! 実は「ラスト3部作シリーズ」だった!?
ファンの熱い声援に押され続編が誕生。前作をはるかに超える奇抜なアイデアや一風変わったプレイで、バカバカしくもゲラゲラと笑えるハッピーな舞台をお届け。
構成・演出:喰始、出演:柴田理恵、久本雅美、佐藤正宏、梅垣義明ほか。
全席指定。前売りS席8800円(当日9600円)、A席7800円(同8600円)、B席6800円(同7600円)。予約・問い合わせはワハハ本舗 Tel.03・3406・4472 |
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