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離婚時の注意点 港区/55歳女性 |
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私たち夫婦は結婚30年です。子ども2人はいずれも成人に達し、現在は独立しております。私は価値観の違いから、離婚を考えるようになりました。夫は反対のようです。離婚することになった場合、どんな点に注意したらよいでしょうか。
私たち夫婦の財産としては、夫名義の住宅ローンが残っているマンションと預貯金くらいですが、夫は株取引をしていたようです。しかし、その内容は分かりません。また、弁護士に頼むとどのくらい費用がかかるでしょうか。
通常、離婚に際して問題となるのは、子どもの養育(特に親権者)と慰謝料、財産分与などです。あなたの場合、子ども2人は成年に達しているうえに、離婚原因も価値観の相違ということなら、夫婦のどちらかに責任があるとはいえないので、子どもの養育と慰謝料請求は問題にならないと思います。
したがって、問題となるのは、財産分与の点です。財産分与は結婚後に取得したものは原則として夫婦平等でそれぞれ2分の1ずつの権利を有します。
もちろん、相続とか贈与などで得たものは夫婦共有の財産とはならないので、分割の対象とはなりません。しかし、借金などの負債は対象となります。
マンションを結婚後に夫名義で取得したとのことですが、名義が夫であっても、共有財産として2分の1の権利を有することになります。夫婦どちらかが取得する場合は半分の権利を評価して金銭で支払うか、あるいは売却してローン残金を清算して残金を2分の1ずつ分けることになります。
仮にローンの残金の方が多いときは、残ったローン分を2分の1ずつ負担することになります。もしあなたがローンの保証人になっている場合は、金融機関の了解を得て保証人をはずしてもらわない限り、マンションをどのように分けるにしても、ローンを返済する責任があります。
預貯金は結婚後に得た夫婦の預金を合算して折半とします。問題は双方が隠すことなく、いわゆるへそくりまで出せばよいですが、隠していたり、株などの債権を出さない場合には、預金先や債務会社などが判明しない限り、その追及は困難だということです。平素から自宅宛てに届く郵便物や相手の行動を注視するのが肝要と思います。
弁護士費用は着手金が30万円から50万円程度、報酬金は50万円くらいでしょう。
弁護士 山下英幸
TEL:03-3508-0581 |
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