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仕事中に眠くなる 港区/51歳女性 |
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夜はしっかり寝ているつもりなのですが、日中、すごく眠くなります。職場で仕事中(デスクワーク)にうつらうつらしてしまうことが多々あります。大抵は食後ちょっとしてから猛烈に眠気に襲われますが、午前の遅い時間帯(昼食前)に眠くなることもけっこうあります。眠気を必死にこらえるのですが、そうすると体がだるくなって仕事にも影響が出そうです。私は睡眠障害なのでしょうか?
昼食後の時間帯に感じる軽い眠気は生理的なものですが、強い眠気が日常生活に影響をするほどであれば睡眠障害の可能性もあります。中高年の年代では、主な原因として「睡眠時無呼吸症候群」と「周期性四肢運動障害」が疑われます。
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が停止または低下する状態を何度も繰り返す症状です。眠っている時に呼吸が何度も止まるため、高血圧症や高脂血症、糖尿病、心筋梗塞、脳卒中のリスクが高まります。大きないびきや無呼吸を指摘されたことがある人は、きちんと検査することをおすすめします。
周期性四肢運動障害は、夜間寝ている最中につま先や足首がピクピクと動いたり、蹴るような動きが繰り返し起こる病気です。寝ているときにこの不随意運動が繰り返し起こるため、脳が覚醒してしまい、熟眠感の欠如や日中の眠気を引き起こします。鉄不足や腎臓の病気、むずむず脚症候群に合併することもあり、夜間に脚がむずむずする、火照る、などの症状がある場合、注意が必要です。
ここで「十分な睡眠時間」についても考えてみたいと思います。海外の研究報告によると、日本の都市部生活者の平均的な睡眠時間である6時間程度の睡眠は、決して「十分な睡眠時間」ではありません。ある研究によると、毎日6時間の睡眠を10日間続けると、徹夜明けと同じくらいの眠気が生じ、注意・集中力も徹夜明けと同じくらい低下すると報告されています。また、5時間程度の睡眠を6日間続けると、「病的水準の眠気」と同程度の強い眠気が蓄積されると報告されています。
慢性的に蓄積した寝不足感は、週末の1〜2日、長く寝た程度では回復せず、未返済の借金の利息のようにどんどんたまっていくといわれていますし、5時間前後の睡眠を続けると、高血圧や糖尿病などを発症、あるいは悪化させることも指摘されています。年齢や生活態度などにより個人差はありますが、本来は大人でも7〜8時間の睡眠が必要とされています。
眠気の原因は紹介した以外にもさまざま考えられますが、社会生活に影響を及ぼすほどの眠気がある場合、まずは睡眠の専門病院を受診し、その原因をつきとめて、治療や生活習慣の改善を図るようにすることが必要です。
睡眠総合ケアクリニック代々木 伊東若子 |
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