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水漏れの賠償責任は? 港区/75歳男性 |
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私は分譲マンションの5階に住んでいます。このマンションは8階建てで総戸数は40戸です。築45年で老朽化も進んでおり、先日も水漏れのトラブルが発生しました。水漏れによる損害が発生した場合に賠償責任は誰が負うのでしょうか。
水漏れ発生箇所が、個人が独占して所有する住戸部分(専有部分)と専有部分以外の建物部分(共用部分)のどちらであるかによって責任の所在を分けることができます。給配水管などについては、一般に本管が共用部分となり、本管から分かれた枝管が専有部分で、給湯管は専有部分とされています。しかし、その区別が必ずしもはっきりしない場合もありますから、マンションの管理規約で具体的に定めておくことが必要です。
水漏れの箇所が共用部分か専有部分か明らかでない場合は、共用部分からの漏水となります。問題は一部の区分所有者のみの共用に供される部分(一部共用部分)です。例えば、いわゆる“下駄履きマンション”において下層階の店舗部分のみの用途に供される出入り口、通路、エスカレーターや、上層階の住戸部分のみの用途に供される出入り口、階段、エレベーターなどについては、管理規約に定めていない場合は、共用する区分所有者の共有に属するとされています。
水漏れの原因については、大きく分けて(1)建築工事の欠陥による場合(本問の場合は築後45年で不問)(2)老朽化などによる場合(3)洗濯機や風呂場の溢水(いっすい=水のあふれ)などの人為的な場合の3つに分けられます。
そこで、水漏れによる損害の賠償責任を誰が負うのかが問題となります。それは、水漏れの原因が何によるかによって決まります。前述(1)の工事の欠陥による場合は、マンションを分譲した業者や工事をした業者に責任があります。(2)の老朽化による場合は、発生箇所が専有部分である場合は専有部分の所有者が、共用部分であれば管理組合が負います。(3)の人為的な原因による場合は、洗濯機などを使用された居住者の責任となります。居住者が賃借人である場合は、賃借人が責任を負い、住戸の所有者には責任がありません。使用方法と老朽化など建物の原因が重なっているときは、話し合って負担割合を決めることになるでしょう。
弁護士 山下英幸
TEL:03-3508-0581 |
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