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弁護士報酬の基準 目黒区/65歳男性 |
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ある事件を弁護士に依頼して解決したいと思っております。弁護士に対する報酬などについては何か基準はあるのでしょうか。また、その基準の根拠なども教えていただけないでしょうか。
弁護士の報酬はケース・バイ・ケースで一概にその金額を説明するのは難しいと言わざるを得ません。
というのは事件にはさまざまな形態があり、しかもその多くに相手方があるため、相手方の対応や主張などによって、解決に至るまでの時間や労力も異なります。特に訴訟事件の場合は、ある程度手続きが進行しないと、事件の難易も判明しないことが多いので、報酬の算出は簡単ではありません。極めて抽象的ですが、報酬などは弁護士と依頼者との間の契約で決められることになります。
その内訳は、事件を受任したときに支払われる着手金と、事件が終了したときに支払われる成功報酬金に分けられているのが一般的です。それ以外にもさまざまな実費として金銭の授受が行われるほか、いわゆるタイムチャージといって事件処理に費やされた時間により、1時間当たりいくらとして定める方法もあります。
契約で定めるといっても何か基準がないと金額が不統一になります。そこで、日本弁護士連合会は「弁護士報酬に関する規程」をつくりました。その第2条で「弁護士の報酬は、経済的利益、事案の難易、時間及び労力その他の事情に照らして適正かつ妥当なものでなければならない」と定めております。この規定に従って、着手金や報酬金を算出して依頼者に説明し、納得してもらえれば委任契約書を作成し、その中に記載することになります。
かつては「弁護士報酬会規」があって、経済的利益を基準に一定の割合(パーセント)で定められておりましたが、現在はこの会規は廃止され、各弁護士が基準を設定し、それに従って、着手金や報酬金を請求するようになっております。
一般的には、(相手方などに)請求する金額や解決によって得た利益に対して何%とし、金額が大きくなるに従って、率は漸減する方式を採用しております。一応の目安として着手金は請求金額の8%から2%くらいまで、報酬金は成功した利益に対し、16%から4%くらいまでとして、若干のプラスアルファを付けた金額になるものと思われます。従って具体的な金額は依頼する弁護士と話し合って決めることになります。
弁護士 山下英幸
TEL:03-3508-0581 |
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