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ベランダの使用法 千代田区/57歳女性 |
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私は分譲マンションに住んでいます。草花が大好きですので、日当たりのよいベランダの一部をレンガで区切って、土を入れ、そこに四季折々の花を育てたいと思っています。ベランダをこのように使っても問題はないでしょうか。マンションの管理規約にはベランダの使用法については特に定めはありません。
マンションのベランダが専有部分か、共用部分であるかについては考え方に違いがあります。一般的にはベランダは避難通路としての機能も有していますので共用部分として説明されることが多いようです。仮に共用部分としても、ベランダの構造上は専有部分に接続していて、専有部分の居住者が専用使用を認められ、他の専有部分の居住者にはその使用が認められていません。もちろん、ベランダの使用法について、管理規約や使用規則に定められている場合はそれに従うのが当然です。
区分所有法第13条では、共用部分もその用法に従って使用することができると定めています。ベランダの使用法は、ベランダをベランダとして使用することであり、区分所有者の共同の利益に反する使用はできません(同6条1項)。したがって、建物全体の美観を害したり、ベランダに構造上の影響を与えたりするような使用はできないことになります。
ベランダですからバルコニーとは異なり、その幅も90〜100センチくらいが通常ですので、その一部をレンガで仕切り土を入れて草花を育てるくらいなら用法違反とはならないでしょう。
しかし、排水口をふさいだり、(手入れを怠って)草花が伸び過ぎ外観上マンションの美観を損ねたりと、他の入居者から苦情が出るような場合には用法違反となる恐れがあります。また、ベランダが共用避難路となっている場合に、レンガで仕切って土を入れることによって、避難の妨げとなり、その機能を果たすことができないような場合や、多量のレンガや土で重量オーバーとなるような場合も用法違反となるでしょう。
マンションのベランダで花を育てるのであれば、移動可能な植木鉢やプランターなどを用いて、ベランダの構造上影響がなく、また避難路としての効用が保持できるよう配慮することが必要と考えます。
弁護士 山下英幸
TEL:03-3508-0581 |
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