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心臓に優しい運動 江東区/57歳男性 |
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温度差が大きい場所に急に移動したり、激しい運動をしたりすると心臓に負担がかかると聞きます。私は何も運動をしていないので、健康のためにこれからジョギングかウオーキングでも始めようかと考えています。心臓に負担をかけずに、効果的に運動をするにはどのようなことに気を付けたらいいでしょうか。
急な気温変化や過度の運動は、心臓にとても大きな負担がかかります。これまでに運動する習慣がなかったのでしたら、なおさらいきなり負荷をかけるのは避けた方がいいでしょう。軽めの運動をするとしても、寒い時季や真夏で朝から猛暑の日、朝の気温が案外低い梅雨の時季などは避けるべきです。
昔は、心臓病に一度なったら、運動をせずなるべく安静にしている方が良いといわれました。現在では、狭心症・心筋梗塞で治療を受けた場合は、術後の回復の一環として心臓リハビリテーションを受けることができるようになっています。つまり、心臓病にかかったことのない人が予防の意味で運動をするのみならず、再発防止の観点から、治療後に運動をすることに保険が適用され、積極的に推奨されているのです。
ご参考までに、心筋梗塞や狭心症で治療を受けた場合は、治療開始日から150日まで心臓リハビリテーションに健康保険が適用されます。
相談者の場合は、まだ心臓病にかかったことはないようですが、予防の観点での運動でしたら、脂肪を燃焼し、体力を維持するための適度な筋力が付くような運動が良いでしょう。激しい運動は、瞬発力などを鍛えるのには良いですが、病気の予防を目的とした健康維持にはあまり向いていません。
ウオーキングであれば、ちょっと心拍数が上がって、体が気持ちよく温まる程度を20〜30分するのが効果的です。目安としては、50代の人であれば1分あたりの心拍数が111〜115回、60代であれば106〜110回くらいになるのが、健康を保つのに適しているといわれています。
とはいえ、心臓病にかかったことがある人などは変わってきますので、その場合は、主治医に相談するようにしましょう。負担の大きな運動は三日坊主にもなりがちですので、楽しく続けられるものを選びましょう。
ハートケア情報委員会 (財)心臓血管研究所名誉所長 相澤忠範 |
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