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自助・共助・公助とは 府中市/70歳女性 |
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最近、「自助・共助・公助」という表現を耳にしますが、その意味や内容が分かりません。100歳以上が8万人以上になった高齢社会での暮らし方に関係することかとも思われますが、新しい生活様式の一つでしょうか? そして、どんなことに気を付ければ良いのでしょうか?
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中村寿美子 |
大正、昭和、平成、令和と過ごしてきた長生きの高齢者にとって避けることのできない問題は「介護」です。介護保険法が施行されて20年になる現在、介護認定を受けている人は約670万人と年々増加しています。利用者が増えれば保険料も上がることになります。
そこで、政府が打ち出したスローガンが「自助・共助・公助」です。意味は、よく使われる「互助」も含めて身近なものから順に、できることは自分で行う「自助」、家族や隣人、ボランティアなど地域の手を借りて生活する「互助」、自治体からのサービスを受ける「共助」、そして最後は国による介護サービスや生活保護などの「公助」といわれています。要は「できるだけ健康を維持し自分の力で暮らし、病院や施設に行かずに自宅で過ごしてください」という意味合いの、社会福祉政策や政府の方針を示す言葉です。
しかし、首都圏では一人暮らしの高齢者が多く、認知症が進行すると火の不始末など近隣に迷惑をかけるような事態も予想され、ひとくちに「自助・共助・公助」といってもどこで線引きするか難しいのが現状のようです。
では、どんなことに気を付ければ良いのでしょうか? それは、いつかは必ず老いるということを自覚して、早くから老いに対する準備をすることです。自分が想定する以上に長生きする時代です。元気なときに考えておけば最適な方法を見つけられますが、障害が出てからでは広範囲の情報を得ることも暮らしの用意も難しくなります。身内や友人、近隣に要介護の人がいれば、1日24時間がどんな流れになっていて、何に困っているかなどを聞いてみるのも参考になります。その上で自分自身が思うような「互助」や「共助」が受けられる環境にあるのかを含めて考えてみることです。
あなたはまだ70歳ということなので、パソコンやスマホなどを使いこなせば、かなりの情報を得ることができますね。
(介護コンサルタント
中村寿美子) |
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