|
がんでも入居可能? 町田市/57歳女性 |
|
|
82歳になる母は、以前に肺がんの手術をしたことがあります。最近、体調がすぐれず、病院に連れて行ったところ、がんが再発していて、かなり進んでいることが分かりました。なるべく穏やかな生活をさせてあげたいのですが、末期のがんでも老人ホームに入居できますか?
|
中村寿美子 |
それはご心配ですね。現在の老人ホームは、さまざまな運営が行われていて、外観やパンフレットだけではケアサービスの内容が分からないのが実情です。そんな中でも、複数の病気をかかえている高齢者が、ケアを受けながら落ち着いて暮らしているホームも少なくありません。
そういうホームの条件としては、提携する協力医療機関との支援体制がしっかり取れていること、痛みに対する緩和ケアが可能であることです。それには、ホームに職員として複数の看護師が常勤している必要があります。また、介護保険でも「看取り加算」という制度があり、ホーム側でも体制を整えています。
その対象となる老人ホームには介護付有料老人ホーム(利用権方式)のほかにも、シェアハウス型ホスピス住宅という新しい賃貸住宅(利用権方式)もあります。末期がんの場合、かつては病院に入院するしか手段がありませんでしたが、現在では在宅が可能になり、いくつかの方法から希望する形で暮らしを選ぶことができるようになりました。
ホーム選びの際に気を付けたいのは、家族が面会だけでなく宿泊も可能かどうかです。また、まだ介護保険の利用がないのなら、介護認定を受けることも必要です。
老人ホームに入居すると自宅には帰れないと思い込んでいる人がいますが、そんなことはありません。ホームに届け出をすれば、いつでも自由に外出や外泊が可能です。ただし、外出先でのけがや自宅で容体が急変したときの対応は家族が行うことになります。
長引くコロナ禍で入院を希望しても思うようにならない状況ですが、主治医と相談の上、本人の希望に沿う暮らし方を考えてあげましょう。
(介護コンサルタント
中村寿美子) |
| |
|