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ホーム入居の留意点 文京区/81歳女性 |
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夫が天国に旅立って以来、独り暮らしも10年になります。そして唯一の相談相手だった一人息子が昨年、病気で亡くなりました。近年、「線状降水帯」とか自然災害が増えていてとても心細い毎日です。それで早めに老人ホームに入居したいと思うようになりました。どんなことに気を付ければ良いでしょうか?
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中村寿美子 |
一番大事なことは、時間をかけてゆっくり決めることです。この先10年20年と暮らす住まいですから、ホーム内だけでなく近隣の環境を確認することも必須条件です。
まず、どんな生活を求めているのかによって老人ホームの種類を考えます。要介護になったときの介護サービス、そして最期のみとりまでを希望するのでしょうか? それならば住み替えの必要がない「自立型介護付有料老人ホーム」になります。
あるいは、自宅の延長としての食事付き共同住宅を想定しているのでしょうか? その場合は選択肢が増えて「住宅型有料老人ホーム」や「高齢者マンション」、「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」などがあります。
次に100歳までの資金計画を立てます。入居一時金での契約が多いですが、それ以上に毎月の管理費など必要経費がけっこう大きな金額になります。将来の介護費用も重要ですね。
問い合わせをしたり見学に行ったりすると、営業担当者が良い事ずくめの説明をして、契約を急がせることもあるでしょう。そんなときでも焦らず重要事項説明書をもらって、面倒でも必ず最後まで読みましょう。そして、何度でも見学に行き、さらに体験入居(有料)もして、自分の希望する居室の方角や日差しなどを確認します。
体験入居ができない場合は、朝から夕方までホーム内に滞在して様子を見ることをお勧めします。居室だけでなく共用設備も、そこでのサービス内容も見ておきましょう。
中には要介護状態になると別の立地にある介護型に住み替えるケースも少なくありません。その場合は、住み替えに必要な費用の確認も大事です。高額の一時金が必要なホームもあります。また、環境が大きく変わることで、心身に不調をきたすことも少なくありませんから、念には念を入れて決めましょう。
それでも「こんなはずではなかった!」と後悔したときは、入居日から90日以内であれば、納めた一時金が滞在日数分を差し引いて、返還されます。
(介護コンサルタント
中村寿美子) |
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